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月次の営業報告は、AIに売上表を渡す前に数字を確定し、「今月の実績」「分かっていること・未確認のこと」「次月の対応」の3枚に分けると整理しやすくなります。
「集計は終わっているのに、報告用の文章とスライドを作るのに時間がかかる」。
そんな中小企業の経営者・営業責任者に向けて、数字の確認表から3枚の原稿にする方法を紹介します。
AIには文章の短縮や並べ替えを手伝ってもらい、計算の正しさや売上が変わった理由まで任せきりにしません。
以下は架空の卸売会社の例です。
実際の導入事例や、特定ツールで検証した成果ではありません。
具体的な操作、適用条件、例外、注意事項は各見出しも確認してください。
月次報告でAIに任せるのは「確認済みの数字の説明」
最初に、集計作業と説明作業を分けます。
Excelや販売管理システムの集計を担当者が照合し、その数字から何を報告するかをAIに整理させる順番です。
たとえば「売上が増えた理由を分析して」と数字だけを渡すと、値引きや新規顧客の増加など、資料にない理由が文章に入る可能性があります。
読みやすい文章であっても、根拠がなければ月次報告には使えません。
報告に使う情報は次の3つに分けましょう。
| 情報の種類 | 書いてよい内容 |
|---|---|
| 確定した実績 | 対象月、売上、粗利、集計範囲、確認者 |
| 根拠を確認した説明 | 対象取引や営業メモを照合した変動要因 |
| 未確認の事項 | 調査中の要因、確認担当者、確認期限 |
見込みも別枠です。
翌月に売上予定の受注を、今月の実績に足してはいけません。
ここでいう見込みは予定額であり、売上の確定額ではありません。
実データを外部AIへ入力する場合は、売上・顧客・取引条件を送信してよいか社内で確認してください。
許可がなければ、まずこの記事の架空データで練習できます。
架空の売上表を、報告前に照合する
例の会社では、税抜・万円単位で8月と9月を比較します。
返品などの扱いは同じ集計基準にそろえ、9月実績は経理担当者が照合済みという設定です。
| 項目 | 8月実績 | 9月実績 | 9月予算 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 1,000万円 | 1,100万円 | 1,200万円 |
| 粗利 | 250万円 | 242万円 | 300万円 |
| 粗利率 | 25% | 22% | 25% |
報告に使う比較値は、AIの出力とは別に計算しておきます。
- 売上の前月比:
(1,100−1,000)÷1,000×100=10%増 - 売上の予算達成率:
1,100÷1,200×100≒91.7% - 粗利の前月比:
(242−250)÷250×100=3.2%減 - 粗利率の差:
22%−25%=3ポイント低下
「3ポイント低下」と「3%減」は別の表現です。
粗利率25%から22%への低下を、単に3%減と書くと比較の意味が変わります。
10月の受注済み売上見込みは900万円という設定ですが、この表には入れません。
納品予定が変わる可能性もあるため、実績ではなく「10月見込み」と明記します。
数字の合計や集計条件に不安がある場合は、先にAIでExcelのSUMIFSを使う方法で、数式と対象行の確認方法を確認してください。
3枚の月次報告はこうまとめる
3枚は枚数の決まりではなく、小さな定例報告を作るためのひな形です。
部門別の内訳が必要なら、別紙に分けるなど調整してください。
1枚目:実績を「売上増・粗利減」とまとめる
見出しは「9月は売上増、粗利は減少」。
本文には次の数字だけを置きます。
対象:9月/単位:万円/税抜/集計確認済み 売上:1,100万円(前月比10%増、予算達成率91.7%) 粗利:242万円(前月比3.2%減) 粗利率:22%(前月25%から3ポイント低下) 補足:翌月の見込みは実績に含めていない
売上の上昇だけを大きく見せず、粗利の減少も同じ画面に載せるのがポイントです。
グラフにする場合も、売上と粗利の単位や軸を確認します。
2枚目:確認した事実と、まだ分からない原因を分ける
この例では、粗利率が下がった原因はまだ調べていません。
その段階で「値引きが原因」と確定させないことが大切です。
確認した事実 ・売上は前月から100万円増えた ・粗利は前月から8万円減った まだ確認できていないこと ・商品構成、値引き、仕入価格のどれが影響したか 確認方法 ・商品群別の売上・粗利を前月と比較する ・値引き記録と仕入価格変更を該当取引で照合する
商品群別のデータがないなら、「利益率の低い商品の販売が増えた」とは書けません。
要因の候補と、確認済みの原因を混ぜないようにします。
3枚目:次月の行動に担当者と期限をつける
「営業を強化する」だけでは、誰が何をするか決まりません。
例の会社では次のように具体化します。
| 対応 | 担当・期限 | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 商品群別の粗利差を照合 | 経理・10月12日 | 差の大きい商品群と根拠を一覧にする |
| 値引き・仕入価格変更を確認 | 営業責任者・10月14日 | 対象取引と影響額を確認する |
| 10月見込みを更新 | 営業担当・10月16日 | 900万円の予定を納品時期別に確認する |
この表も架空の対応例です。
期限は自社の会議日程に合わせて置き換えてください。
原因の調査結果が出るまでは、値上げや値引き停止などの対策をAIの推測だけで決めません。
AIへ渡すプロンプトは、禁止事項まで書く
短い指示でも、数字・集計条件・未確認事項をそろえると確認しやすくなります。
以下の架空データはそのまま練習に使えます。
社内の月次営業報告の原稿を3枚に整理してください。 読者は経営者と営業責任者です。以下は架空データです。 確認済み実績:税抜、万円単位、同じ集計基準。 8月:売上1000、粗利250、粗利率25%。 9月:売上1100、粗利242、粗利率22%。 9月予算:売上1200、粗利300、粗利率25%。 比較値:売上前月比10%増、予算達成率91.7%、 粗利前月比3.2%減、粗利率3ポイント低下。 10月の受注済み売上見込み:900。実績とは分ける。 粗利率低下の原因:未確認。 1枚目は実績、2枚目は事実と未確認事項、 3枚目は確認すべき対応を整理してください。 各スライドは見出し1つ、要点3つ以内を目安にしてください。 数字と比較値は変更せず、原因を創作しないでください。 提案する対応は「提案」、根拠のない項目は「未確認」と表示。 最後に、使った数字と入力項目の対応表を付けてください。 担当者と期限が入力にない場合は「要設定」としてください。
出力後は「確認済みの原因」として新しい説明が混ざっていないかを見ます。
数字の対応表もAIが間違える可能性があるため、元の表と人が照合してください。
毎月同じ指示を使う場合も、対象月と確定状況を必ず入れ替えます。
前月の説明を残したまま使うと、数字が合っていても報告内容が古くなります。
原稿をスライドにするなら、イルシルも選択肢
原稿の内容は決められるけれど、配置や見た目に時間がかかる場合は、AIスライド作成ツールのイルシルを検討できます。
数字の集計や原因の確定を省くためではなく、確認済みの原稿を資料にする用途です。
イルシル公式サイトでは、文章からの資料生成やスライド編集、プラン別のPDF・PowerPoint出力が案内されています。
2026年10月9日時点ではPC専用です。
| 選択肢 | 税込料金と確認点 |
|---|---|
| フリー | 0円。保存できる資料数や機能に制限があり、外部出力は対象外 |
| パーソナル | 月額1,848円。PDF・PowerPoint出力に対応 |
| パーソナルプラス | 年額66,000円の一括払い。月換算5,500円。チーム利用機能などが必要かを確認 |
月次報告を1人で作るだけなら、最初からパーソナルプラスが必要とは限りません。
現行の回数制限、共有機能、試用後の有料移行条件を確認し、使う範囲に合うプランを選びましょう。
また、公式の資料添付機能の案内では、AIデザイン生成への画像・PDF・CSV添付が紹介されています。
利用する画面とプランの条件を確認し、添付から作ったグラフでも数値・単位・凡例を照合してください。
パーソナルプラスの公式案内はこちらです。
下のリンクは広告で、無料プランや下位プランではなく、対象プランの案内につながります。
プランを選ぶ前に詳しく比べたい方は、イルシルの料金と導入前の確認点も参考にしてください。
提出前は、数字・原因・次の行動を1つずつ確認する
最後に、資料を作った人とは別の担当者も含めて、次の項目を確認します。
少人数の会社であれば、元台帳との照合を別の時間に行う方法でも構いません。
- 対象月、税抜・税込、単位、実績の確定状況が明記されている
- 元の集計表と、スライドに載せた数字・比較値が一致する
- 未確認の原因を、確定した事実のように書いていない
- 見込みを実績に加えていない
- 対応に担当者・期限があり、未設定なら分かるようにしている
- 出力したPDFやPowerPointでも、表・グラフ・注記が読める
まずは、先月の確定済み数字を使って3枚の原稿を作ってみてください。
「何が起きたか」「まだ何が分からないか」「誰が確認するか」が分かれれば、AIの文章をどこまで使えるかも判断しやすくなります。