「この画像は、会社のホームページにも使ってよいの?」「前任者が作ったのと同じ雰囲気で、文字だけ変えたい」。
生成AIの画像が増えると、ファイルを見つけるだけでは解決できない質問が出てきます。
会社で管理するなら、画像IDを1つ決め、原本・利用条件・修正履歴・公開版を結び付ける方法から始めましょう。
画像管理アプリを新しく契約しなくても、社内で許可された共有フォルダと表で試せます。
この記事では、架空の会社のお知らせ画像を例に、台帳の項目、命名、再利用時の確認を説明します。
実際の導入成果を報告するものではありません。
タグと台帳では役割が違う
「青」「人物なし」「横長」などのタグは、探すときに便利です。
ただし、タグだけでは、モデルの利用条件や、誰が公開を確認したかまではわかりません。
例えば、担当者が異なる画像を同じフォルダに入れ、ファイル名をすべて「バナー最終」にすると、翌月にはどれが承認済みか判断しにくくなります。
見た目が同じでも、文言や掲載先の条件が違う可能性があります。
まずは検索用の分類と、再利用の判断に必要な記録を分けてください。
台帳は権利を保証する証明書ではなく、確認した条件と作業の経過を辿るためのものです。
画像台帳に残す項目
1枚ごとに長い報告書を作る必要はありません。
迷ったときに元の情報へ戻れる項目を優先します。
| 項目 | 記録すること | 後から答えたい質問 |
|---|---|---|
| 画像ID・用途 | 共通IDと、お知らせ等の制作目的 | 何のために作ったか |
| 作成日・担当 | 生成・編集した日と担当者 | 誰に確認すればよいか |
| ツール・モデル | サービス、モデル名・版、追加素材 | 何を使って作ったか |
| 条件の根拠 | 公式条件・モデル配布元のURL、確認日、必要な注記 | どの条件を確認したか |
| 入力・生成設定 | 指示文、参照画像、保存できる設定 | どの部分を再現できるか |
| 原本・編集データ | 元画像と文字を編集できるファイルの保存先 | 再生成せずに直せるか |
| 版・変更内容 | v01、v02と変更理由 | 何を変えたか |
| 掲載先・公開版 | 媒体、ページURL、サイズ、公開したファイル | 何が公開されているか |
| 確認・状態 | 確認者、確認日、保留/確認済み/公開中/使用停止 | 今使ってよい版はどれか |
同じ指示文を残しても、生成結果を完全に再現できるとは限りません。
再現のための情報と、実際に使った原本の両方を保存します。
架空の「お知らせ画像」1枚を記録する例
従業員12人の架空の設備メンテナンス会社が、会社のお知らせに背景イラストを使うと仮定します。
実際の会社、制作実績、測定結果ではありません。
画像ID:IMG-202610-001 用途:設備点検の相談受付を案内するページの背景 作成担当:広報担当A ツール/モデル:実際に使用した名称・バージョンを記入 利用条件:配布元のURL・確認日・対象用途を記入(未確認なら保留) 参照素材:自社で利用権限を確認したもののみ。なければ「なし」 原本:IMG-202610-001/source/ 編集データ:IMG-202610-001/edit/ v01:文字なしの生成背景。確認前 v02:確認済みの案内文を編集ツールで追加 公開版:v02 / 横長1200×630px / company-news.webp 確認:文言は営業責任者、画像と条件は広報担当が確認 状態:両方の確認日を記入するまで「保留」
この例では「商用利用可」とだけ書いて終わらせません。
どのモデルの、どの条件を、いつ、どの用途について確認したかを残します。
未確認の欄を空白にして公開するのではなく、保留として管理してください。
記録を生成AIに整理させる場合
AIには、確認済みの作業メモを表へ並べ替える役割を任せられます。
条件そのものの判断や、存在しないモデル名・承認日の補完はさせません。
次の作業メモを、画像IDごとの管理台帳に整理してください。 項目は「用途、作成日、ツール/モデル、条件の参照先と確認日、 原本の保存先、版、変更内容、掲載先、確認者、状態」です。 メモにない情報は「未確認」と書いてください。 利用規約の内容、商用利用の許可、確認者の承認を推測しないでください。 掲載済みと記載がない画像を「公開中」にしないでください。 矛盾する日付や複数の最終版があれば、別に確認事項を挙げてください。 【ここに社内で外部入力が許可された作業メモだけを貼る】
顧客写真、社員の顔、未公開商品、共有フォルダの機密情報などを、整理のために無断で外部AIへ渡してはいけません。
記録整理も、会社で承認された入力範囲とツールで行います。
原本・編集・公開版を分けて保存する
同じIDのフォルダ内で、用途を分けます。
特定のクラウド製品を契約することが前提の方法ではありません。
原本・編集データ・掲載先別の出力・条件の記録を、同じIDの下で分けます。
フォルダ名だけで公開可否は判断せず、台帳で版・確認者・掲載先を結び付けます。
ファイル名は、ID・用途・サイズ・版で区別します。
例えば「IMG-202610-001_web_1200x630_v02.webp」です。
「最終」「最新」を何度も付けるより、台帳の公開版欄で正しいファイルを指せるようにしてください。
使用条件の保存は、元ページのURLと確認日を基本にします。
内容を手元に保存する場合も、社内ルールとサービス側の条件に従い、必要な範囲にとどめましょう。
ダウンロードしておけば条件変更の確認が不要になるわけではありません。
修正するときは、変更の種類を分ける
文字の受付日を直す場合と、別のモデルで背景を生成し直す場合は、確認すべきことが違います。
| 変更 | 残す記録 | やり直す確認 |
|---|---|---|
| 案内文・期間の変更 | 元の版、変更した文言、理由 | 内容の正確性と承認 |
| 切抜き・サイズ変更 | 元画像ID、新サイズ、切抜き範囲 | 文字切れ、描写の誤解、掲載先の条件 |
| 生成し直す・モデル変更 | 新しいモデル/設定、条件の根拠 | 利用条件と個別画像の公開確認 |
| 別媒体へ流用 | 掲載先と公開ファイル | 利用範囲、必要な注記、表示 |
「前にホームページで使ったから、広告にも使える」と自動的に判断しないでください。
利用条件、参照素材の許可範囲、掲載先の規定を、新しい用途に照らして確かめます。
サイズ違いの制作手順は、AI画像をSNS・ホームページに使い回す方法で説明しています。
引き継ぎでは、1枚を実際に辿ってみる
台帳を渡すだけでなく、新しい担当者が公開画像から原本へ戻れるかを確認しましょう。
- 公開ページの画像に対応するIDがわかる。
- 原本と編集データを、権限のある社内保存先で開ける。
- モデルや素材の条件と確認日を辿れる。
- 公開した版と、まだ保留中の版を区別できる。
- 文言や掲載先を変更する場合の確認者がわかる。
退職者の個人アカウントだけにデータがある状態は避け、会社で許可された保存先と権限で管理します。
契約・アカウントの管理は、制作物の台帳とは別に生成AIの契約・アカウント管理表で整理してください。
まずは、公開中の画像1枚から記録する
AI画像の管理は、すべての過去ファイルを一度に分類する必要はありません。
まずは今使っている1枚にIDを付け、原本、条件、公開版、確認者を結び付けるところから始めましょう。
条件が確認できない画像は、台帳に載せたことを理由に利用を続けず、保留して調べます。
モデルやサービスの条件に加え、個別画像についての権利・描写の確認も必要です。
文化庁:AIと著作権
クラウドの画像生成環境も検討している場合は、ConoHa AI Canvasの料金と導入前の確認点を参照してください。
管理台帳を始めるために、サービスへの申し込みは必要ありません。
※資料確認日:2026年10月8日。
会社・台帳の記入例は架空です。