AIで作った議事録を取引先へ送るときは、社内用メモをそのまま共有せず、送付用の文書を別に作ります。
社内だけの情報を除き、決定事項と提案・確認中の事項を分け、原文と照合してから担当者が送付を承認します。
「きれいに要約できたから、そのまま送ってよい」とは限りません。
社内向けの値引き検討や、まだ合意していない納期が、取引先への説明に混ざる場合があります。
この記事では架空の商談メモを使い、社外向けに整える指示文と確認方法を紹介します。
具体的な操作、適用条件、例外、注意事項は各見出しも確認してください。
元の会議記録と社外向けの文書を分ける
録音、文字起こし、社内の振り返りメモは、作成目的も共有範囲も違います。
取引先に必要なのは、合意した内容、相互の確認事項、次の対応がわかる記録です。
議事録の基本構成として、AutoMemo公式の解説も、会議の概要、決定事項、担当者と期限を区別する考え方を紹介しています。
そこに社外送付の確認を加えます。
| 記録 | 主な用途 | 送付前に行うこと |
|---|---|---|
| 元の録音・文字起こし | 発言内容を確認する | そのまま送らず、共有の必要性と許可を確認 |
| 社内用メモ | 営業判断や振り返り | 社内限りの条件・評価を区別 |
| 社外向け議事録 | 合意と次の対応を確認する | 事実・未確定事項・送付先を担当者が確認 |
元の記録を社外向けの文章で上書きしないようにします。
後から相違が見つかったとき、発言の根拠に戻れるよう、社内ルールに沿った保管先と版を残します。
架空の商談メモを、送ってよい内容と確認事項に分ける
以下の会社、日付、価格、発言はすべて説明用の架空例です。
実際の商談や導入効果を示すものではありません。
2026年11月10日、部品Aの追加発注について打ち合わせ。
先方:100個を希望。
11月20日着にできるか確認したい。
自社:在庫と配送を確認し、11月12日までに回答すると伝えた。
到着日は未回答。
先方:梱包を小分けにできるか質問。
自社:確認後に同じ回答で連絡する。
社内振り返り:価格交渉があれば5%値引きも検討。
先方には伝えていない。
このメモから「100個を11月20日着で納品」「5%引きで対応」と書くと、希望や社内検討が約束に変わります。
AIには、次のように分けてもらいます。
- 確認できた対応:自社が在庫・配送と小分け梱包の可否を確認し、11月12日までに回答する。
- 先方の希望・確認中:100個、11月20日着の希望、小分け梱包の希望。受注や納期の確約は未確認。
- 社内限り:未提示の値引き検討。社外版には入れない。
顧客の希望そのものを消す必要はありません。
「希望」「確認中」とわかる形で残すことが、後の認識合わせにつながります。
AIへの指示は、入力してよい情報だけで作る
まず、会社で認めたAIと入力範囲を確認します。
社外に出せない情報をAIへ入力してよいとは限りません。
利用するサービスのデータ利用条件や社内規程に合わなければ、入力前に除外するか、承認を得た環境に切り替えます。
上の値引き検討のような情報も、AIに「削除して」と頼むためだけに入力する必要はありません。
以下の指示には、入力許可を確認した抜粋だけを渡してください。
取引先へ送る議事録の下書きを作ってください。 入力は、社内でAIへの入力を認めた会議メモの抜粋です。 書式:会議概要/確認できた決定事項/先方の希望・提案/確認中の事項/次の対応。 ・希望、提案、検討中を、決定や合意へ変えない。 ・担当者、金額、数量、日付を推測して補わない。 ・回答する期限と、納品する期限を混同しない。 ・社内限りと明記された内容は送付用の本文に含めない。 ・曖昧な発言は断定せず、「担当者への確認事項」に分ける。 ・各項目の根拠となるメモの行を、送付用本文とは別の照合欄に示す。 ・原稿作成だけを行い、送信や共有設定の変更は行わない。 会議メモ: [入力許可を確認した抜粋を、行番号を付けて貼り付ける]
相手の会社名や個人名を仮名にした場合は、元に戻す作業も人が行います。
名前だけを伏せても、案件内容から特定できる場合があるため、単なる置換で入力可能と判断しないでください。
送付用の文面は、確定と確認中を別の見出しにする
上の架空例なら、次のようにまとめられます。
日時や出席者など、メモにない情報は、実際の記録で確認してから追記します。
部品Aの追加発注に関する打ち合わせ記録(確認用)
【先方のご希望・確認中の事項】
・数量:100個
・希望到着日:2026年11月20日
・小分け梱包の可否【当社の次の対応】
在庫・配送と小分け梱包の可否を確認し、2026年11月12日までに回答いたします。現時点で到着日と小分け梱包の可否は確定していません。
本記録の認識に相違がございましたら、ご連絡ください。
「相違があれば連絡ください」と添えても、相手が合意した証明にはなりません。
正式な注文、価格、契約条件などは、自社の受発注・契約手順に沿って別途確認します。
図は左右にスクロールできます。
希望や提案を決定事項へ変えていたら原文と担当者に確認する。
どの場合も最終的に本文・添付・宛先・閲覧権限を確認し、承認した版だけを送る。
送る直前は、本文・添付・送付先を確認する
原稿だけが正しくても、元の録音や社内メモが添付されていれば、意図しない情報まで届きます。
送付を担当する人が、実際のメールや共有画面で確認してください。
- 金額、数量、期限、担当者を元の記録と照合する。
- 提案・希望・保留が確定表現に変わっていないか確認する。
- 社内限りの情報、AIへの指示文、照合用のメモが混ざっていないか確認する。
- ファイル名、コメント、変更履歴、添付するファイルの中身を確認する。
- 宛先・CC・リンクの閲覧権限が、必要な相手だけになっているか確認する。
- 責任者が承認した版を送り、社内の保管ルールに従って版を残す。
リンク共有の場合は、本文だけでなく録音や全文にもアクセスできる設定になっていないか確かめます。
単にURLを知っていれば見られる方式と、指定した相手だけを招待する方式は同じではありません。
製品ごとの共有方法を確認する場合は、Plaudの公開リンク・招待・書き出しの違いや、NottaのAI要約を編集するときの確認手順も参考にしてください。
まず一件の会議メモで、社内版とは別に社外向けの下書きを作る。
希望と約束を分け、送付する文書と共有範囲を人が確かめてから使ってください。
参考資料
- AutoMemo公式:伝わりやすい議事録の書き方(会議概要、決定事項、次の対応を整理する考え方)
- IPA掲載:テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン(中核人材育成プログラム卒業プロジェクト。組織の利用ルールを考える参考資料)
参考ページ確認日:2026年10月29日。
本記事のプロンプトと架空例は会社でAIの編集例です。
社内規程・取引先との取り決めに合わせて調整してください。