社内の表記ルール辞書を作る方法|AI原稿の揺れを減らす

社内の表記ルール辞書を作る方法|AI原稿の揺れを減らす

「お問い合わせ」と「お問合せ」が、会社サイトと営業資料で混在している。
AIに文章を作ってもらうたびに、社長が同じ修正をしていませんか。

最初から立派な文章マニュアルを作る必要はありません。
よく直す10語を選び、正式表記、適用範囲、例外、更新担当者を一つの表にまとめます。
それを原稿作成時と確認時の両方で使うのが、この記事で提案する方法です。

ここでいう辞書は、入力を便利にする変換辞書ではなく、会社の表記を揃える確認表です。
表記を揃えても、文章中の事実まで正しくなるわけではありません。

表記ルールを運用する流れ直近の原稿から用語を選ぶ。置換と人の確認を分ける。必要なルールだけAIへ渡す。担当者が辞書を見直す。条件・例外・具体操作は本文も確認してください。表記ルールを運用する流れ1直近の原稿から用語を選ぶ2置換と人の確認を分ける3必要なルールだけAIへ渡す4担当者が辞書を見直す番号と矢印:進める順序
本文で説明する流れを整理しています。
具体的な操作、適用条件、例外、注意事項は各見出しも確認してください。

最初の10語は、直近の原稿から選ぶ

まず、公開済みの会社紹介や商品案内を3本程度見返します。
担当者が違うと揺れる言葉、毎回修正している名称、読者が間違えやすい表記を拾ってください。
辞書の言葉を増やすことより、繰り返し起きる修正を減らすことを優先します。

対象を選ぶ順番は、商品・サービスの正式名称、顧客への案内で使う言葉、数字や記号のルールです。
商品名は担当部署の資料、社名は会社の正式表記など、決定の根拠も残します。
AIに「一般的だからこちらが正しい」と決めさせないでください。

そのまま使える、表記ルール表のひな形

以下は架空の会社の記入例です。
どの会社にも適用すべき正解ではなく、自社で決める項目の見本として使ってください。

対象 自社で使う表記 確認する表記・状況 例外・適用範囲
問い合わせ お問い合わせ お問合せ、問合せ 自社の一般案内に適用
顧客の呼び方 お客様 お客さま、顧客様 引用文は変更しない
商品名 定期点検サポート 点検パック、点検サービス 正式商品名として使う場合
受付の表現 受け付けます 受付けます、受けつけます 名詞の「受付」は別扱い
ウェブの表現 Webサイト WEBサイト、ウェブサイト 他社の固有名称は保持
メールの表現 メール 電子メール、Eメール 必要な区別がある技術文書は除外
数量 半角数字+単位 全角数字が混在 原資料の数量は変えない
日付 2026年10月20日 10/20など年がない日付 年・月・日は根拠資料と照合
社名 正式な法人名 省略名、旧社名 見出しでの略記は別途承認
単位 mm、kgなど指定単位 単位の混在 数値換算は別作業として確認

この表とは別に、先頭に「版番号・更新日・承認者」を記載します。
複数の部署で使うなら「営業向け案内文のみ」など適用範囲も明示してください。
採用原稿と技術資料で、同じ表記ルールが適切とは限りません。

「置換する言葉」と「人に確認する言葉」を分ける

辞書を作ると、一括置換したくなります。
しかし、同じ文字列でも意味や出所が違うことがあります。

架空の設備会社で「点検サービス」を正式名称へ揃えるとします。
自社の商品を説明する箇所なら修正候補ですが、他社のサービス名、顧客の発言、契約書からの引用は勝手に直せません。

表には「自動で直す」だけでなく、「候補を表示して人が判断する」を用意してください。
固有名詞、数値、引用、単位換算は、原則として確認を挟みます。
迷うたびに辞書が増えるなら、禁止語を増やす前に適用範囲を見直しましょう。

AIに渡すのは、今回の原稿に必要なルールだけ

ルールを長く貼るほど、原稿を読みにくくすることもあります。
用途に関係するものに絞り、変えてはいけない内容も指定します。
下の原稿欄には、社内で入力が許可された文章だけを入れてください。

次の原稿の表記だけを確認してください。
新しい情報や約束は追加せず、数値・日付・条件・引用文は変更しません。

今回の表記ルール:
・一般案内の「お問合せ」は「お問い合わせ」に揃える
・自社商品名は「定期点検サポート」
・他社の名称と引用文は修正しない

出力:該当箇所/修正候補/理由/人の確認が必要か。
原稿全体は書き直さず、候補だけを示してください。
判断できないものは未確認と書いてください。

原稿:[入力を許可された原稿]

候補を受け取ったら、AIの出力とルール表を照合します。
ルールにない表記をAIが直した場合は、今回採用するかと、社内ルールに追加するかを別々に判断してください。
提案をそのまま新ルールにすると、担当者が知らないうちに基準が変わります。

辞書は、1人が責任を持ち、月に一度見直す

小さな会社では、最初は広報や総務の担当者1人を更新窓口にすると管理しやすくなります。
商品名や取引条件の決定まで窓口に任せるのではなく、該当部署の確認を受けて反映します。

変更記録 記入する内容
何を変えたか 対象語・旧表記・新表記
なぜ変えたか 商品名変更、読者の誤解、部署の承認など
いつから使うか 適用日と対象原稿
誰が承認したか 担当部署・承認者
既存原稿への対応 新規のみ/重要ページだけ更新など

月に一度という頻度は編集部の提案です。
原稿が少なければ、商品改定や担当者交代の時期に合わせても構いません。
旧版を残し、原稿に使った版が分かるようにすると、後から修正理由を追えます。

共有が必要になってから、ツールを選ぶ

1人で少量の原稿を書く段階なら、共有表と確認手順から始められます。
複数人が同じルールを使う、見落としが繰り返される、といった問題が出たら、共有辞書のある校正ツールを比較しましょう。

文賢の料金と会社導入の注意点では、共有辞書とプラン、AIアシストのデータ取り扱いを整理しています。
表記が揃った後の意味の確認には、案内文をAIで校正する手順も使えます。

今日の作業は、よく直す言葉を10個書き出すところまでで十分です。
正式表記を決められない言葉は、空欄のまま担当部署に確認してください。
未確認のまま揃えるより、迷う箇所を残す方が安全です。

参考:文賢のプラン別辞書・共有機能。
この記事の表と運用手順は編集部の提案で、文賢の操作画面を再現したものではありません。

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